こんにちは!今日は久しぶりに融資ネタです。ちょっとマニアックになりますが、お読みください。
ローカルベンチマーク(ロカベン)とは?
ローカルベンチマークとは、企業の経営状態の把握、いわゆる「健康診断」を行うツール(エクセルシート)です。企業の経営者等や金融機関・支援機関等が、企業の状態を把握し、同じ目線で対話するための基本的な枠組みであり、事業性評価の「入口」として活用されることが期待されるものとされています。具体的には、「財務情報」(6つの指標)と「非財務情報」(4つの視点)に関する各データを入力します。その結果、企業の経営状態を把握することができるようになり、経営状態の変化を早く発見することによって、早期の対話や支援につなげていくもの、とされています。
「6つの指標」及び「4つの視点」とは?
これから説明する「6つの指標」は、企業の成長性や持続性を評価する上で、事業から生み出されるCFを把握することがその根幹にあると想像されます。「入力シート」に必要な情報(BS/PL)を入力・選択すると、以下のように、自動的に6つの指標が計算され、業種平均との乖離を把握でき、さらに点数が算出されます。
点数付与の基準ですが、帝国データバンクが保有する10万社の財務指標がベースとなっており、各指標の中央値を基準値としてポイント化しています(1点~5点)。
それぞれの指標の計算式は次の通りです。
<売上増加率> “売上持続性”
・計算式:(売上高/前年度売上高)-1
<営業利益率> “収益性”
・計算式:営業利益/売上高
<労働生産性> “生産性”
・計算式:営業利益/従業員数
<EBITDA有利子負債倍率> “健全性”
・計算式:(借入金-現預金)/(営業利益+減価償却費)
<営業運転資本回転期間> “効率性”
・計算式:(売上債権+棚卸資産-買入債務)/月商
<自己資本比率> “安全性”
・計算式:純資産/総資産
これら「6つの指標」は過去情報であり、これだけで将来性などを評価するのは困難です。そのためには、金融機関などは企業との対話などを通じて非財務情報「4つの視点」を整理することが重要になります。具体的には、「①経営者、②関係者、③事業、④内部管理体制」の4つです。これらの内容をエクセルシートに記入します。
<イメージ>
また、4つの視点以外にも非財務情報として「商流・業務フロー」についても記入します。
自社の“ロカベン”を作成しよう!
企業様におかれましては、是非、「健康診断ツール」として、自社のロカベンを作成してみましょう。また、ロカベンは中小企業施策にも関係しています。たとえば、経営力向上計画、早期経営改善計画、労働移動支援助成金、事業承継ガイドラインなどにおいてもロカベンを推奨しています。できれば、顧問税理士や金融機関(メインバンク)と相談・情報共有しながら作成することをお勧めいたします!
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